「やり抜く力」を育むために必要な環境とは

最近話題の「やり抜く力」。幼少期からその力を育てることが、勉学やスポーツはもちろん、人間関係等にまで良い影響を与えると言われています。そんな「やり抜く力」を伸ばすためには、どのような環境が適しているのでしょうか。大阪大学で教鞭をとり、子どもの学力問題に詳しい前馬優策先生にお話をうかがいました。

前馬優策・PROFILE
大阪大学 人間科学研究科 講師
教育社会学を専門とし、学力問題の研究に取り組む。関西を中心としながら、そのうえで福井県もフィールドに、学力格差に関するデータ分析や学力格差を縮めるための実践研究に従事。

自尊感情が「やり抜く力」を支えてくれる

「まず前提として、やり抜く力には自尊感情が欠かせません。『僕/私はがんばれば、ちゃんとできるんだ』という思いがある子は、壁にぶつかってもくじけずに頑張り抜くことができる傾向にあります。さらに、自尊感情を身につけるには、褒められることが有用と言われますが、なかでも一面的ではなく、多面的な褒め方をされることが大切です。そうすることで、子どもは自分の長所を数多く発見できるようになるのですね。だからこそ、幼少期から両親以外にも多くの大人と接し、多様に褒められる経験をすることは重要です。それが、自尊心ひいてはやり抜く力を育むことにつながると言えます」

では、そのような経験を積むのに適した環境というのはあるのでしょうか?

地域のつながりが自尊感情の土壌になる

「やはり都会よりも地方の方が、地域のつながりが強く、多種多様な大人と接する経験が多くなるのではないかと思います。都会では、ご近所さんでも顔すら知らないということが増えてきているようです。一方で、地方では地域の方が熱心に学校ボランティアに携わっていたり、子どもたちが道ですれ違った人に挨拶をする習慣が残っていたりと、地域の人と人とのつながりが色濃く残っているケースが散見されます。たとえば、福井県では、学校行事である遠泳大会を練習段階から見に来てくれる地域の方々が、泳げるようになった子どもに気づいて拍手を贈ってくれる。登下校の様子にも目を配って、『あの子、最近元気ないな』と気にかけてくれる。結果、その地域の子どもたちは孤立せず、自分の努力や長所を認めることができ、自尊心ややり抜く力が伸びていきます」

子どもの学力にも影響するつながりの強さ

「地域や家庭、学校などの人間関係のつながりは、エリアによって強弱があるのですが、これを本学の志水宏吉先生は“つながり格差”として提唱されました。興味深いことに、この“つながり格差“は“学力格差“と連動しています。調査の結果、人間関係のつながりが強いエリアほど、子どもたちの学力が高い傾向にあったのです。たとえば、ここ数年、全国学力調査(文部科学省)のトップ常連である福井県と秋田県も、つながりが非常に強いエリアです。これは、つながりが強いほど、自尊心ややり抜く力が育ち、それによって勉学にも勤勉に打ち込むことができるからではないかと思います」

「全国学力調査(平成28年度)」において、小中学校を合わせた結果で全国第2位だった福井県。さらに、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(平成28年度)」でも全国1位と認められています。福井県が学力・体力ともに全国トップクラスであることからも、つながりの強さとやり抜く力の因果関係が見えてくるかもしれません。

福井県の子育て環境についてもよく分かる「ふくい移住・就職フェア」

福井県は、大阪と東京の2都市において「ふくい移住・就職フェア」を開催します。大阪会場は10月9日(月・祝)、東京会場は10月29日(日)です。
ともに、今回ご協力いただいた前馬先生による特別セミナーが開催され、つながり格差と学力格差の問題や、福井流の子育てについてより深く学べるチャンスとなっています。また、「キッズスペース」や、県内各市町村担当者による「福井のくらし相談コーナー」、「U・Iターン先輩コーナー」「福井名産品試食コーナー」など他にも盛りだくさんのコンテンツをご用意しています。さらに、両会場ともアンケートにお答えいただいた方先着100名様においしい福井米をプレゼント。ぜひ足をお運びください。

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